(誤嚥性肺炎の防止と口腔ケア)
本日は誤嚥性肺炎の防止と口腔ケアについてお話させていただきます。
誤嚥性肺炎は日本では死因第 6 位となっております。⾧寿ができている(老衰が死因第 3 位)日本特有のことであると思います。誤嚥性肺炎と肺炎は違います。肺炎は細菌・ウィルス感染による肺の炎症ですが、誤嚥性肺炎は食べ物や唾液(口腔内には常在菌といって菌や真菌がいます)が肺(特に唾液は肺胞まで行ってしまいます)の方にまで行ってしまいそこで感染を生じさせ肺に炎症を起こすというものです。これは特に高齢者に多いです。なぜ高齢者かといいますと、高齢者の方は嚥下機能(ごっくんすること)が低下している傾向が高く、うまく食道へ食べ物が進まないのです。誤って気管の方に行ってしまうのです。せき込んで出せればいい(顕性といいます)のですが、大体の方は無意識(不顕性といいます)です。この無意識の嚥下には、唾を飲み込むという行為も含まれます。
唾液はごっくんせずとも少なからず勝手に咽頭~食道へ流れています。食道へ行かず気管へ行ってしまうことが誤嚥(不顕性)ということなのです。
では、防止策はどうするのか?となりますが、特にご高齢の方は歯科クリニック(口腔外科があるところ)などで、嚥下機能をまずは見てもらい、嚥下機能低下があれば嚥下訓練をしていきましょう(嚥下訓練については後日のコラムにてお話させていただければと思います)。嚥下機能に問題はない(主に若年者)となれば、口腔ケア(歯磨きやマウスウォッシュ)で予防していくことになります。口腔ケアが不十分ですと口腔内で細菌が増え、食事中や睡眠中に細菌が気道に入ると 誤嚥性肺炎の惹起の可能性が高まります。
誤嚥性肺炎になりやすい方は以下になります(あくまでも健常者、若年者と比較してなりやすいという意味です)
- 嚥下機能が低下している
- 要介護の方
- 脳卒中の既往の方。
次に口腔ケアの具体的な方法についてお話させていただきます。
- 歯磨き。1 日 2~3 回が推奨されていますが、一日 1 回でも寝る前にしっかり磨けばよいです。起きたときは、ご面倒でなければ、マウスウォッシュかイソジンでガラガラうがいもしましょう。
- 舌の清掃
舌の表面には細菌が多く付着します。舌苔とも言います。舌が白く苔状になっていたら、舌苔です。これを舌ブラシで軽く奥から手前に一方向で磨いてください(数回でよいです)。往復はさせないでください。その後はうがいしてください。強くごしごしはしないでください。舌の表面に 傷がつき(見えない傷)、さらに細菌が繁殖しやすい状態になってしまいます。
- 入れ歯の清掃 入れ歯を装着されている方は、きちんと入れ歯(内面の方)もお掃除してください。
- 口腔内の保湿
口腔内が乾くと細菌が増えやすいです。また、口呼吸の方は特に咽頭部に感染させやすくなり咽頭痛の原因にもなります。
保湿ジェルなどの使用も推奨いたします。
※ 介護現場での口腔ケアについて。
介護施設や病院では、口腔ケアを行うことで 肺炎の発生率が低下させることができるということが多くの研究で示されています(エビデンスがあるということです)。
※ 肺炎ワクチンに関しまして。
肺炎ワクチンは肺炎球菌という菌の肺炎の感染症予防になります。
誤嚥性肺炎の予防にはならないとお考えいただいてよろしいかと思います(ゼロとはいいきれませんが)。誤嚥後の感染の可能性を減らせるという意味では有益であると思います。とはいえ、ご高齢の方には接種をお勧めいたします。
肺炎は日本では死因第 5 位ですので。
ご相談などがございましたら、当院のスタッフにお尋ねください。
当院の歯科医師のほうから回答いただきます。






